ノウハウ集

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2017.10.31更新

第一章 コスト削減の基礎

第5回: コスト削減をやるべきタイミング

コスト削減活動が実行しやすく、効果の出やすいタイミングとは

自分の会社がコスト削減活動をやるべきと分かっても、「いつやるのか?」という疑問に納得できる解が持てなければ、自ら行動する気になりません。ましてやコスト削減活動は周囲の協力が必要なので、周囲の方々に説明できるストーリーも必要になります。それでは、コスト削減活動に適した4つのタイミングを理解するとともに、納得できるストーリーも確認しましょう。

 

 

①トップ(株主や経営者、コスト管理部門の長)が交代した時

【コスト削減をやるべき会社】で最初に出てくるのが①縦割り組織(蛸壺)文化の会社、とお伝えしました。そして、その解決策として横断的な(横串を刺せる)取組みをすることを提案させていただきました。つまり、横断的な取組みを始めやすいのが、部門を跨いだ調整(命令)が出来るトップが交代した時なのです。トップが交代した時に、「従来は部門個別でのコスト削減取組しかできていなかったが、全社で取組めば本部門でコスト削減に成功した手法を横展開するだけでも効果が出せますし、全社の購買力でサプライヤーと交渉することで更なるコスト削減が見込めるはずです」と言えば、反論する上司は稀有でしょう。上司としても、トップに就いてからなるべく早く小さくても良いので目に見える成果を出して自分の価値を証明したいものです。即効性があるのが、コスト削減なので社内の誰にとっても損の無い取組みと言えるタイミングになるでしょう。

 

②合併や提携等、企業体として規模が大きくなった時

M&Aが当たり前になり、自らの会社が他社と一緒になり大きくなることを経験した方も多々おられるかと思います。その際、PMI(Post Merger Integration)という言葉もよく耳にするかと思います。合併や統合後のプロセスを指していますが、それでは何を行うことがM&Aの効果を最も早く実現できるのでしょう?そうです、コスト削減に取組むことが利益という効果を早期に実現できるのです。単純に規模の経済が働くことでサプライヤーとの取引条件がよくなることは勿論、企業体としてリソースが増えたことによりヒト・モノの最適配置の選択肢が増えムダを取り除くことが出来たりします。そして、①と同様にトップこそがM&Aの果実を早期に求めているので、トップとしてもやらない理由は無いのです。

 

③新規事業開発をスタートする時

Going concern(継続企業の前提)である以上、経営者は「今日を生きるためのご飯を得ながら、明日のご飯を探す」ことが必須になります。明日のご飯を探すこと、つまり新規事業を開発することは企業が継続する上で必要不可欠な行いになります。ただ、新規事業を開発している間は売上を生むことが無いため、開発を続けるためには資金が必要となります。その資金を自社が主体的に生むことが出来るのがコスト削減活動なのです。「○○製品の開発のために、全社として資金を生むことが必要なはずです。購買部として、その需要を主体的に満たすため、コスト削減プロジェクトを行い、○○製品の開発をサポートしたいと思います!」と宣言すれば、嫌な顔をする人はいないでしょう。

 

④世の中が不景気になった時

説明不要ですよね。不景気になると、取引先も支出を減らす(発注を減らす)ことを考えるため、売上の増加が見込みにくくなります。会社を存続、発展させるためには利益が必要。売上が伸びない状況であればコスト削減を実施する必要性は自明。不景気になった時のストーリーについては、もうこれ以上の説明は要りませんね(笑)

コストの教科書の解説記事は以下のリンクからご覧になれます。

 第1回: コスト削減の目的
 第2回: 効果と効率
 第3回: コスト削減手法の3つの視点
 第4回: コスト削減をやるべき会社
 第5回: コスト削減をやるべきタイミング
 第6回: 費目の特性と主なコスト削減施策
 第7回: コミュニケーションコスト(=時間コスト)
 第8回: 内部既存コスト
 第9回: TCO(Total Cost of Ownership)
 第10回: マインドセット
 第11回: 調達組織の役割の変遷
 第12回: 組織評価の7つの軸

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