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2018.5.21更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第16回:クリニカルパスは医薬品費削減以外にも活用できる

クリニカルパス(以下、パス)は、薬剤の投与だけでなく、治療や検査のあらゆるプロセスが可視化できます。パスを作成・検証する過程で、医薬品費以外にもコスト削減のポイントを発見することが可能になります。主なポイントは「術前処置」、「検査」、「画像診断」の3つあり、「実施の必要性」、「内容」、「回数」の視点でパスを検証します。

 

  

術前処置

 手術症例に対して、術前処置として剃毛や浣腸を実施する場合があります。これまでは術前の定例儀式のように行われていましたが、改めてその必要性を検討しましょう。 

術前剃毛

 剃毛することでできる顕微鏡的切創が手術部位感染発生リスクを増加させることが学会でも叫ばれるようになり、現在はガイドラインでも推奨されていません。

術前浣腸

 患者と看護師双方に負担があることから、下剤(マグコロール、プルゼニド等)で代用するケースも増えています。

  

検査

 入院中は多くの検査を行います。検査は出来高病院であれば収益源となりますが、同時に外注検査委託費や病棟・検査部スタッフの業務負担等、コストにも影響するため、過剰に実施していないかは検証すべきです。DPC病院は多くの検査がDPC日当点に包括されるため、「検査≒コスト」と考えることができます。

生化学検査

 1回の入院で検査項目数は10~20項目に及びます。「実施の必要性」、「項目数」、「回数」の視点で生化学検査の内容を精査しましょう。下記はA病院の肺がん手術20症例における、生化学検査の分析結果です。実施率100%の項目は、パスに組み込まれている項目です。他病院の状況も踏まえて必要性と項目数を検討し、「γ-GT、カルシウム、蛋白分画」の3項目をパスから除外しました。

 

  

CBC,エコー

  CBCやエコーは入院中複数回実施するケースが多いので、実施回数が多すぎないかという視点で見直しを図りましょう。

 

画像診断

 入院中はレントゲン、CT、MRI等、画像診断を行います。検査と同様に出来高病院では収益となりますが、コスト面では画像診断機器の稼働に係るコストやその操作をするスタッフの人件費、そして造影剤を使用する場合は医薬品費にも影響しますので、パスを活用して適正化を図りましょう。特に画像診断の場合は、レントゲンの撮影部位や回数が論点になることが多いです。腹部だけで十分なのに胸部も撮っていないか、1週間に1回で十分であるのに、3日に1回撮影していないか等、チェックしてください。

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