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2018.5.28更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第17回:給食委託費の見直し方法

近年、原材料費や人件費の高騰により、患者用給食の委託コストが上昇しています。一方で、病院食の美味しさは患者満足度に直結するため、コスト削減に慎重になる病院も多いようです。今回は、食事の質を維持しながらも患者給食委託費を見直す方法を紹介します。

 

自病院の給食委託費は高いのだろうか?

まず、自病院の給食委託費が全国平均よりも高いか低いかを、厚生労働省資料(下図)を参考に確認してみましょう。例えば、給食部門業務を一部委託している200床の病院(稼働100%とする)の場合、年間の給食委託費は961円×200床×365日=70,153,000円となります。同規模で年間7,000万円以上の給食委託費が発生している場合は、適正化の余地がありそうです。

 

 

コストドライバーに着目

項目に関わらず、外部委託費のコスト削減を考えるにあたっては「コストドライバー」の視点が大切です。コストドライバーとは「コストを最も大きく左右する要素」であり、「何を」「誰から」「どうやって」の視点で整理することで、効率的なコスト削減ができます。

 

「何を」:仕様を細かく分析する

現在の契約内容を、下記視点で分析・整理しましょう。

委託業務範囲

一部委託の場合、自病院の管理栄養士や厨房スタッフが実施する業務と委託先が実施する業務が契約書に明記されているはずですので、契約書の内容と実際の役割分担が合っているかを確認します。契約書上では担当が区別されているが実際はダブっている業務があったり、逆に実施していない業務があったりする場合は、仕様見直しによって委託費削減に繋がります。

調理施設の場所

自病院の調理施設を使用する場合が大半ですが、最近はセントラルキッチン(委託先で一括調理した食事を各病院に配送する形態)も増えてきています。自病院の設備や必要厨房スタッフ数も考慮してどちらがベターかを検証します。

食事の種類と食数

一般食、特別食、アレルギー負荷試験食、祝い膳など、食事の種類別に食数を算出し、定期的に食数推移をモニタリングしましょう。食数によって段階的に委託費が変わる契約形態もありますので、残食調査を実施し、現在の契約食数が適正かどうかを把握することも委託費削減に繋がります。

 

「誰から」:委託先候補を複数抽出する

全国展開している大手業者と各地域でサービスを提供する業者に分かれます。必ず複数業者を比較し、自病院が必要とする仕様に合致する業者を選択しましょう。

 

「どうやって」:2つの視点でコストを明確化

取引条件(特に価格)について、総コストのみ把握するのではなく、下記2つの視点で因数分解できるようにしましょう。

材料費と管理費に分ける

見直しの優先順位が高いのは、食事の質に直結する材料費ではなく、管理費です。「何を」の視点で委託している業務内容や調理施設の場所を明確化することで、管理費が適正化どうかの判断が可能になります。

食事の種類別に分ける

食事の種類別に材料費を算出します。特に一般食と特別食に価格差があるかは重要で、一般的に両者の原価はほぼ同じであることが知られています。

 

過去の取り組み状況にもよりますが、上記手順でコストドライバーを特定し委託内容を見直すことで10~15%の給食委託費を削減することも可能です。質の維持を前提とした委託費見直しに是非取り組んでください。

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