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2018.6.18更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第20回:臨床検査委託費の見直し方法

臨床検査業務に関するコストの見直しには、大きく3つの方法があります。

 

臨床検査室運営方式の見直し

臨床検査室には大きく3種類の運営方式があり、それぞれメリット・デメリット(リスク)があります。

自主運営方式

自病院で検査技師や検査機器を保有し臨床検査業務を行う形式です。実際は全ての検体検査を自院でカバーすることは出来ないため、緊急性の低い検査や特殊検査など、一部を検査センター等外部業者に委託している病院がほとんどです。この場合、検査項目別に契約単価が定められ、検査件数に応じて委託費が決定します。弊社調査によると、100床あたり年間平均約2,000万円の検査委託費が発生しています

ブランチラボ方式

病院が検査スペースを提供し、外部業者から検査技師、検査機器、試薬などを提供して臨床検査業務を行う方式です。文字通り、院内に外部業者の支店を作る形態になることからこのように呼ばれます。人件費・検査機器稼働費といった固定費と、試薬費・消耗品費といった変動費が分かれている場合や、固定費も含めて検査項目別に契約単価が定められている場合など、様々な契約形態があります。

FMS(Facility Management System)方式

病院が検査スペースと検査技師を提供し、それ以外の検査装置、試薬、消耗品などは外部業者から提供して臨床検査業務を行う、自主運営方式とブランチラボ方式の中間のような方式です。ブランチラボ方式と同様、契約仕様は病院によって異なります。

 

一時期はアウトソーシングブームでブランチラボ方式やFMS方式が増加しましたが、近年は自主運営方式が見直されつつあります。自病院に最適な運営方式は、その病院の方針、経営資源、外部環境、そして経済的効果など、様々な視点を考慮して決定することが重要です。例えば、小規模病院で技師の人件費負担が大きなリスクとなる病院や、地域的に技師確保が難しい病院はブランチラボ方式のメリットを多く享受できます。技師や検査機器を既に保有している病院は自主運営方式が第一選択肢となるでしょう。

 

委託業者の見直し

どの運営方式においても、複数業者間での費用比較は重要です。この時、特にブランチラボ方式やFMS方式を採用している病院は、固定費と変動費を分けて把握することで交渉が有利になります。人件費や検査機器稼働費などの固定費部分よりも、試薬費や消耗品費などの変動費部分の方が業者による価格差が大きく、交渉の余地が大きいためです。

 

過剰な検査見直し

第14・15回でクリニカルパスについて取り上げましたが、パスの活用は臨床検査委託費削減にも繋がります。オーダーする検査項目をパスに設定することで、医師によるばらつきや過剰検査を抑制することが可能です。既にパスがある場合も、不要な検査項目が設定されている場合があるため、いま一度パスを見直してみると、思わぬ発見があるかもしれません。

 

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