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2018.7.9更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第23回:院内清掃費用の見直し方法

病院の清掃業務は単なる「掃除」ではなく、患者満足度や院内感染防止など医療の質にも関わる重要な業務です。ほとんどの病院が清掃業務をアウトソーシングしており、委託費は100床あたり年間約1,250万円発生しています(弊社調査)。院内清掃費用の見直しにあたっては、質を下げないことを前提に進めなければなりません。

 

日常清掃と定期清掃

院内清掃業務は、実施する頻度によって日常清掃と定期清掃に大別されます。利用者が多い場所(病棟、トイレ、玄関など)を毎日清掃するのが日常清掃、日常清掃では落としきれない汚れや特殊な場所を定期的に清掃する業務(外壁清掃やカーペット取り換えなど)が定期清掃です。一般的には日常清掃の費用が80~90%以上を占めます

 

費用見直しの視点は人件費と消耗品費

 委託費用の内訳は主に、清掃スタッフの人件費+清掃に使用する消耗品費(洗剤、ワックス等)+清掃業者の利益です。従って、院内清掃費用見直しの視点は、清掃スタッフの勤務時間(工数)の短縮と、消耗品部分の適正化の2つが重要です。

人件費部分:仕様書の整合性と妥当性検証を

 日常清掃においては、まず現在の清掃業務を可視化したうえで、仕様書との整合性と妥当性を検証します。整合性は、既存の仕様書の内容と齟齬がないかという視点、妥当性は、病院の要求基準とマッチしているかという視点です。現状可視化ツールとしては、清掃スタッフの業務量調査や院内アンケートが有効です(下図)。これら調査結果を集計・分析することで、下記のような課題が見えてきます。

  1. スタッフの清掃順序や導線など業務フローに非効率な部分がある
  2. 想定以上に時間がかかっている業務箇所がある
  3. 使用頻度が低い部屋が過剰清掃になっている
  4. 逆に、清掃ニーズが高い部屋の清掃が疎かになっている
  5. 病院職員との連携部分で問題がある

 

 このような課題に対し、「部屋Aの器材や棚のレイアウトを変更し、清掃しやくする」、「部屋Bは患者が利用しないので、清掃頻度を2日に1回から3日に1回に減らす」といった改善策を検討します。このとき、「現在発生している60工数/週を10%削減するにはどうしたらよいか」といった具体的目標を立てて取り組みましょう

 5については、現場の病院スタッフに「清掃は全て業者がやればよい」という意識があると、どの場所も汚れやすくなり、清掃スタッフの作業時間を無駄に増やすことに繋がります。病院スタッフに「5S」を徹底させたり、清掃に対するコスト意識を高めたりすることで、病院全体で清掃業務効率化に取り組むことが重要です。

倉庫1の清掃時間が長すぎる、スタッフ1の導線が長いなど、業務量調査をすることで課題が見つかる。

 

消耗品費部分:清掃業者の使用物品を確認

 清掃に必要なゴミ袋や洗剤、清掃業者が供給するトイレットペーパーやトイレの手洗い石鹸などの各種消耗品は、単価は低い一方使用量が多いため、費用見直しの余地があります。清掃業者の提案品をそのまま採用するのではなく、代替品の提案を依頼するなどできる限り安価な製品を採用しましょう。

 

 院内清掃費用の見直しは、病院と清掃業者の連携が鍵を握ります。定期的に清掃業者とのミーティングを設け、継続的に質と費用の両面で改善を目指しましょう。

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