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2018.8.6更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第27回:看護部の業務改善②~本当に必要な情報共有とは~

病棟看護師はシフトを組み24時間体制で看護を行うため、看護師間の報告や申し送りといった「情報共有」の業務が他の職種と比較して多く発生します。A病院の業務量調査では、「報告・申し送り」が病棟日勤看護師1日の業務全体の10%以上を占めており(下図)、一人の看護師につき1日約60分を費やしていました。医療過誤を防ぎ看護の質を維持するためにも重要な業務ですが、改善できる余地はあるのでしょうか?

 

 

A病院の「報告・申し送り」業務の発生タイミングを調査すると、全体の半分以上が朝に発生しており、夜勤から日勤へ業務を引き継ぐ際の情報共有に多くの時間を要していることが分かりました。

また、前後の業務も含め朝の病棟業務全体の流れを観察してみると、日勤の看護師は出勤後、申し送りが始まる前から自分の担当患者の情報収集を行い、業務を始めているのです。このことが、今までルーチンとして漫然と行ってきた申し送り業務を見直すきっかけとなりました。

 

朝の申し送りにおける課題を洗い出し、改善に向けた対策を検討しました。例えば、

  • ウォーキングカンファレンスは各病棟への移動に時間がかかるため廃止する
  • 時間に対する意識が低かったため、申し送り時間の目標値を設定し、徹底する(1患者あたり3分)
  • 申し送る内容や方法に個人差があったため、マニュアルを作成し、申し送る患者の選択や申し送る内容をルール化する

 

といった改善策を実行しました。結果的に1人の看護師につき、約10分の朝の申し送り時間を短縮することができました。朝の申し送りに参加する看護師数を夜勤4人・日勤8人とすると、1病棟・1日あたり120分の効率化となり、大きなインパクトです。夜勤看護師にとって残業が減るだけでなく、日勤看護師がはやくベッドサイドに行けるというメリットもあります。

 

情報共有は重要な業務ですが、本当に必要な「内容」とその「方法」を見直すことで、質を下げることなく業務効率化に繋げることができます。情報共有方法に関してはタブレットを導入する病院も増加しており、今後はIoTの活用もポイントになるでしょう。

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