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2018.8.20更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第29回:薬剤部の業務改善①~薬剤管理指導の時間短縮~

病院薬剤部のKPIの一つである、薬剤管理指導料の算定件数向上に取り組んでいる薬剤部長は多いのではないでしょうか。限られた人数で算定件数を増やすためには、①薬剤管理指導自体に要する時間を短縮して件数を増やす、②既存業務の効率化を図り薬剤管理指導の時間に割り当てる、の2つの考え方ができます。今回は、「①薬剤管理指導自体に要する時間を短縮する」ことによる薬剤師の生産性向上を考えます。

 

現状を3プロセスに分けて見える化する

業務量調査等を実施して現状を見える化することで、課題や目標設定が明確になります。薬剤管理指導においては、「患者の情報収集」・「患者への指導」・「記録」の3プロセスに分けて、1件あたり各プロセスに何分要しているかを把握することがポイントです。そして薬剤師別に比較すると、ほとんどの場合ばらつきが生じます。下図はある病院の業務量調査結果ですが、1件あたり30分弱の薬剤師がいれば、1時間以上かけている薬剤師もいます。

 

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情報収集と記録の短縮が鍵

薬剤師によって1件あたり指導時間に差がでるのは、そのやり方に問題があることがほとんどです。したがって、業務改善の基本である「標準化」の視点で薬剤管理指導を見直すことが有効です。なお、3プロセスうち、まず着目するのは「患者の情報収集」と「記録」です。「患者への指導」は医療の質に直結する部分であり、患者個別対応の必要もあるため、優先順位は下がります(但し、長ければ良いというものでもないため、目安の時間を決めるなどの対策は重要です)。

 

標準化の具体策

患者の情報収集と記録の標準化には、例えばこのような対策が有効です。標準化は、新人でも同じレベルの業務ができるようになるという点で、医療の質向上にも貢献します。

  • 目標制限時間を設け、薬剤師一人ひとりに生産性を意識させます。上記の病院では、1件あたり「情報収集10分、記録10分」という目標を立てました。
  • テンプレートを作成します。プルダウンやチェック方式を増やしたり、ユーザー辞書を活用したりしてフリー記載を必要最小限とします。
  • パス化されている疾患は、パスごとの薬剤管理指導ツール(マニュアル)を作成します。これにより、無駄な情報収集をしたり、患者への説明方法を一から考えたりすることがなくなります。

 

次回は、薬剤部の業務全体から効率化を考えます。

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