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2019.1.28更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第49回: 電気メスのコスト削減事例

外科手術では、リガシュアやハーモニックといった電気メスが多く使用されています。どの手術機器をいくつ使用するかは医師が決定しますが、診療報酬のルールを基にした使用基準を作ることでコスト削減に繋がります。

 

一部の手術機器は、使用することで加算が算定できます。例えば、上記のリガシュアやハーモニックを使用すると「K931:超音波凝固切開装置等加算(3,000点)」を算定可能です。一方、この加算は全ての術式で算定できるわけではなく、大きく3分野の手術に限定されています。

  1. 胸腔鏡下若しくは腹腔鏡下による手術
  2. 悪性腫瘍等に係る手術
  3. バセドウ甲状腺全摘(亜全摘)術

 

※詳細は医科点数表参照:https://shirobon.net/30/ika_2_10_3/k931.html

 

因みに、全国の病院で主にこの加算を算定(=該当手術機器を使用)している術式は下記です。

 

 

これら以外の手術でリガシュアやハーモニックを使用すると超音波凝固切開装置等加算は算定できず、手術機器使用に係るコストは病院の持ち出しになります。

A病院(300床台、公立)で医事課と手術室看護師が調査したところ、手術機器の選択は執刀医に一任されており、超音波凝固切開装置等加算が算定できないにも関わらず電気メスを使用していた手術が年間約600件に上ることが判明しました。

そこでA病院では各診療科の医師とミーティングを行い、術式別に使用手術機器の見直しが可能か検討しました。その結果、一部手術ではリガシュアを使用しなくてもOKということになり、年間約400万円のコスト削減ができる見込みとなりました。

現在A病院では、「診療報酬で算定できる術式以外でのリガシュア使用は原則控える」というルールを作り、医局会で承認を得て運用しています。シンプルなルールですが、医師は細かい診療報酬ルールを知らないことが多いため、知識を提供するだけでも大きな経営改善に結びつくことがあります。手術件数の多い病院は、是非検討してみてください。

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