2019.04.01

看護部の業務改善⑥~病棟在庫の管理見直しによるコスト削減~

物品を在庫の視点で見ると、院内物流センターなどで集約して在庫管理を行う「在庫品」と、在庫管理をしない「非在庫品」に分類されます。病棟においては、在庫品は汎用性が高く使用量が多いマスクや手袋など、非在庫品は専門性の高い材料などが該当します。一般的に、在庫品は管理を担当する院内物流センターなどから定期的に補充され、非在庫品は各部門から都度業者に発注し、直接納入されることが多いでしょう。

在庫品は担当者が在庫管理を徹底し、無駄がないようにマネジメントしていることが多いのですが、非在庫品は管理が各部門に委ねられていることが多く、コスト管理の視点で注意が必要です。

A病院の看護部では、非在庫品が業者から「箱単位で」各病棟に直接納入されていました。もともと使用頻度が少ない物品が多く、他の病棟と非在庫品の情報を共有するシステムもなかったため、各病棟で滅菌期限が切れデッドストックとなった製品が増えていました。ある病棟で棚卸をしたところ、ポール呼吸器回路フィルターや人工鼻用フィルタセットなどのデッドストックが年間約30万円にも昇りました。仮に10病棟あれば、病院全体で年間約300万円のロスが生じていることになります。

A病院では、短期的な解決策として、下記2点に取り組んでいます。

  • 定数を設定し、「在庫品」化する。
  • 医師の異動などで消費量が変化し、改めて検証すると在庫品として定数を設定できる物品もあります。
  • 部門間で非在庫品情報を共有する。
  • 例えば、各部門で所有している非在庫品リストを作成し、毎週の師長会などで共有します。
  • 特定の物品が不足した場合は、保有している部門から譲ってもらいます。
  • 院内掲示板などで注意喚起をし、スタッフの意識を高める。

この取り組みにより、デッドストックによるロスが現在の約1/5になると見込んでいます。理想は全物品の在庫管理をシステム化し、そもそも多忙で不得手な看護師に在庫管理をさせないことですが、時間もお金も必要になります。まずは「今できること」から始めてみましょう。

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