2019.04.08

看護部の業務改善⑦~申し送り時間を短縮する~

看護師の間接業務(患者に直接接しない業務)のなかで、記録に次いで時間を費やしているのが、申し送りや報告業務です。申し送りが時間外勤務の一因になっている病院は多くあります。カルテや経過表では伝えきれない患者の状態や対応すべきことを、次の勤務帯の看護師に引き継ぐことが目的となりますが、どのくらい時間を費やしているかをきちんと把握しているでしょうか。患者の数や診療科、看護師の経験によって異なりますが、一般的な急性期病棟であれば「10分以内」を目標にしたいところです。

A病院の循環器病棟(3交代制、日勤帯でPNS採用)の場合、日勤から準夜勤看護師への申し送り時間が長くなっている原因を調査したところ、3つの課題が明らかになりました。

課題1

4名いる日勤帯の記録担当看護師が、その日の準夜勤看護師3名にそれぞれ申し送りをするため、お互いの業務を止めてしまったり、申し送り待ちといった時間のロスが発生していた

課題2

記録担当ではない看護師も、その日入院した患者について準夜勤看護師に個別に申し送りをしていた

課題3

看護師によって申し送りの内容に差があった

そこで、この病棟ではそれぞれの課題に対して対策を検討しました。

課題1に対しては、明確な申し送り開始時間を設定しました。記録担当看護師と準夜勤看護師は16:45までにナースステーションに戻り申し送りを行う準備をすることを徹底し、また、申し送りをスムーズに行うようスタッフに意識付けを行いました。

課題2に対しては、申し送る看護師を本来の記録担当に集約するため、個別の申し送りは禁止、必要時は事前に記録担当看護師に申し送る体制としました。

課題3に対しては、まず最も患者数の多い心カテ検査入院に関して、申し送り内容を下記に統一しました(多くの患者がパス適応になるため、標準化が可能)。

  1. 入院目的(初回orフォロー)
  2. 抗凝固剤・抗血小板薬の内服、その他休止薬の有無
  3. 穿刺部位
  4. 前処置の有無

改善に取り組んだ結果、今まで看護師一人あたり1日に約25分かかっていた申し送り時間が約15分までに短縮されています。医療の質・看護の質向上に繋がらない間接業務は、できる限り効率化していきましょう。

 連載記事
看護部の業務改善①~記録時間の短縮~
看護部の業務改善②~本当に必要な情報共有とは~
看護部の業務改善③~病棟から外来へのタスクシフティング~
看護部の業務改善④~自病院の適正な看護師数は?~
看護部の業務改善⑤~データ集計作業の効率化事例~
看護部の業務改善⑥~病棟在庫の管理見直しによるコスト削減~
看護部の業務改善⑦~申し送り時間を短縮する~

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