2020.05.18

病院のプロジェクト事例1:外注検査コスト削減

病院・プロジェクトの概

病院の現状・経営課題

クライアントは年間1,000件以上の全身麻酔手術、3,000件以上の救急車受け入れを行う、地域の急性期基幹病院です。診療機能は充実していましたが、全国の多くの公立病院と同様に赤字経営が続いており、公立病院改革プランでも経営改善が必須となっていました。しかしながら、経営を管理する事務職員は役所からのローテーション人事の方も多く、どこから手を付けてよいか、どう進めればよいか、経験・ノウハウがほとんどない状態でした。

このような組織においては、まず短期間で成功体験を共有し、自信をつけて頂くことが重要です。初期分析の結果をもとに「医師が直接関与しない、かつ削減率が相対的に高い」項目を検討し、まず外注検査のコスト削減をターゲットとしました。

課題解決に向けたアプローチ

副院長(医師、リーダー)、事務長、検査部長、事務担当者、コストサイエンス社でプロジェクトチームを立ち上げ、病院長と事業管理者への定期報告会を月1回開催するという形で進めました。

現在の契約内容、検査室の運営方式、各検査単価を分析した結果、次のような課題が見えてきました。

  • サプライヤー3社に委託していたが、そのうち1社のシェアが90%以上を占め、長年変更していないため、業者間の競争環境がほとんどなかった
  • 検査室はブランチラボ方式での運営であるが、各検査の単価に全てのコストが含まれており、コスト構造の分析検証が困難

まず現在の主要サプライヤーと交渉し、提供されている検査機器や技師人件費等の固定費と試薬・消耗品費等の変動費を区別して見積もりを再取得しました。そのうえで、新規サプライヤーからの見積もりとコストサイエンス社保有の他病院ベンチマークをもとに再検証した結果、固定費部分はどのサプライヤーもほとんど同じでしたが、変動費部分には業者によって大きな差があり、クライアントは他病院と比較しても高い単価の契約であることが判明しました。

サプライヤーを変更すると、同じ検査でも結果が現在とズレたりして診療部門に負担がかかるため最終手段とし、現在のサプライヤーと変動費を中心に交渉を進めました。

実施効果

不透明だったコスト構造を明らかにしたことで、コスト適正化が可能な部分が明確になり、建設的な交渉が可能になりました。サプライヤー数も多くないため、他病院での契約単価情報も有益な根拠となり、契約単価で20%の削減に成功しました

この取り組みを通して、プロジェクトチームのメンバーも経営改善に自信を持つことができ、人材育成の視点でも良い影響を生み出すことができました。

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