2020.06.15

病院のプロジェクト事例7:パス改善による医薬品費削減

病院・プロジェクトの概要

病院の現状・経営課題

DPC病院における医薬品費の削減方法には、複数の視点があります。

購入単価を下げる

  • 共同購買やベンチマークによる価格交渉等を行い、同じ品目の購入単価を下げる
  • 先発品から後発品へ、後発品から更に安価な後発品への切り替えを行い、購入単価を下げる

廃棄量を減らす

  • 在庫管理を改善し、廃棄量を減らす

入院での使用量を減らす

  • DPCに包括される薬剤の過剰投与を適正化することで、使用量を減らす
  • 可能な薬剤を外来投与に変更することで、コストから収益に変換する

クライアントは、これまで①の購入単価引き下げと②の廃棄量削減には事務部門や薬剤部を中心に取り組んできましたが、③の使用量削減は診療科医師の説得が必要になることもあり、なかなか院内で成果を上げることができていませんでした。また、出来高請求に対するDPCでの増収率が他の大学病院と比較して低いこと、近年の医薬品費上昇率が高いことも課題であり、パス改善プロジェクトが立ち上がりました。

課題解決に向けたアプローチ

診療科別・パス別に薬剤の使用状況を分析し、過剰と考えられる部分を抽出しました。例えば、循環器内科のアブレーションパスでは下表のような分析結果となります。

投与金額が大きく、他病院と比較して過剰投与の可能性がある項目は、プレセデックス(#1)、ノボ・硫酸プロタミン(#2)、ヘパリン(#3)、オメプラゾン(#4)です。これらの薬剤をターゲットとし、診療科ごとに医師と改善可能性について議論を重ねました。

数字上は他病院と乖離があっても全てが改善可能とは限りません。患者背景、病院の治療方針、エビデンスの有無も考慮に入れながら、改善可能な項目を絞って対策を検討していくことが重要です。また、このプロジェクトに対する医師の理解と協力を得ることも必要不可欠で、診療科との打ち合わせには病院長にも参加してもらうことにより意思決定をスピーディに進めました。

上述のアブレーションパスの場合、プレセデックスは投与基準の再検討および可能な場合は手術請求すること、止血剤・血液凝固阻止剤・PPI製剤は経口薬に切り替えるか、パスから除外し必要症例のみ追加オーダーすることとなりました。

実施効果

約半年間をかけて主要診療科に上記アプローチを行った結果、病院全体で約2%(年間3,000万円以上)の医薬品費削減に繋がりました。また、当プロジェクトを通して、①薬剤以外の検査・処置等も適正化、②医師のパスへの意識が高まり新規パス登録件数が増加、③パス委員会の活動が活性化、といった効果も得られました。パスを活用することで、医師はオーダリング業務が効率的になり、看護師も看護記録時間・指示待ち時間の短縮ができたりと、業務改善にも繋がっています。

 

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