2017.02.02

プロジェクトマネージャーの役割はクライアントの期待値マネジメント|コンサルタントの方へ

クライアントの中のザ・クライアントが分かったら、後は求められる結果を追い続けるだけになります。しかし、諸行無常な世の中、クライアントの課題も刻一刻と変化していきます。

プロジェクト開始直前に言っていた課題を基にチーム体制を組んでプロジェクトに挑んだのに、急遽優先テーマが変わることもあります。そんなときはどうすればクライアントからの信頼を得られ続けられるのでしょうか。

そのために、ザ・クライアントと相対するコンサルティング会社側のプロジェクトマネージャーがすべきことはただ一つ、ザ・クライアントの期待値を上げすぎず下げすぎず、コンサルタントが達成可能な範囲に抑えることになります。

「なんだそんなことか」と思った方もいるでしょうが、それがなかなか難しいものです。なぜなら情報の非対称性が常に発生する、つまり前提条件がお互い異なる中で相手に求めることを管理することは、非常に骨の折れる行為だからです。

恋人関係(注意:家族ではありません)に例えてみましょう。高級なレストランと高級なホテルを意気揚々と予約をしてデートに行きました。予約した本人はそれなりのお金も出しますし、“好意を尽くしている”という自己肯定感もあり、「これだけ尽くしたのだから、ちゃんと見返りがくるだろう」と相手にも求めていきます。しかし、招待された側としては、「高級なところに行くと気疲れするし、ホテルで寝るのは落ち着かないから家で寝たいのだけど」と、高級なところに何も価値を感じないことがあります。
本当に求めているのは「話しやすい気さくな場所で美味しいものを食べ、ゆっくりと自分のペースで寝れること」であったりします。さて、この時、予約をする側をコンサルタント、招待される側をクライアントと考えると、このようなことが日々のコミュニケーションで起きていませんでしょうか。

相手が本当に求めていることが、相手から明確な言葉で伝えられるとは限りません。離れているときも常に相手のことを考え(ニュースなどには目を通し)、相手目線で目の前の事実(コスト状況といった事実)を捉えることが重要です。

そして、その期待値を毎回1%超えることを目指すのが、信頼を築き、長きに亘る取引を可能にしていきます。

クライアントに「自分ができること」を正確に理解してもらい、「よって、〇〇はできますが、△△はできません」ということを常日頃からコミュニケーションを取ることが、期待値を正常な範囲でマネジメントするためには重要です。そして、クライアントが突発的に課題を伝えてくれた時には、瞬発力を持って「◇◇までならできまして、こうすれば☆☆を目指せるかもしれません。ただ、△△はできません」というのを伝えることで期待値を1%超えられる一定の範囲でマネジメントすることができるでしょう。

期待値マネジメントの訓練は普段の生活でもできることなので、相手にとっても心地の良い自分なりのやり方を意識して身に付けていきましょう。

 

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