購買・調達部門の役割は最適なコストを設計することです。
ここでいう最適なコストというのは、低価格、という意味ではありません。低価格と低リスクを両立してこそ、最適なコストと言えます。
本記事では、震災などによる調達停止という大きなリスクについて解説します。
BCP(事業継続計画)
BCP(事業継続計画)とは、Bussiness Continue Planningの略語で、災害時であっても事業を継続して行えるための計画のことです。
災害やテロが発生するとその地域の工場が停止する恐れがあるため、調達停止のリスクを避けるためには、広域災害等が発生しても適時・適切に対応できるサプライチェーンを構築する必要があります。
よくないサプライチェーンの例として、自社としては1次サプライヤーを分散しているつもりでも、その1次サプライヤーの調達先である2次サプライヤーが集中している場合があります。
工場Cが災害により停止してしまったとします。この場合、調達状況は以下のようになります。
2次サプライヤーまで考慮したサプライチェーンを取っている左側の例では、災害時もほぼ平常通り調達ができ、業務は継続されます。一方右側の例では、1次サプライヤーは被災していなくとも、調達が滞ってしまい、業務は継続できません。
サプライヤーを集約させると発注量を増やせるためコスト削減には繋がります。しかし一方で本記事で触れたように調達停止リスクも高まってしまうのです。これらはトレードオフの関係にありますので、リスクを適切に分析し、サプライチェーンを構築することが重要となります。