ノウハウ集

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2017.12.25更新

第一章 コスト削減戦略の着眼点

第1回:【コスト削減の着眼点】戦略プロセス

コスト削減ノウハウ集では、【戦略プロセス視点】と【コストドライバー視点】の2つの視点に着目しながら、コスト削減の実務について解説していきます。今回はこの2つの視点のうち、【戦略プロセス視点】について解説していきます。

 

戦略とは

「戦略とは」なにか、簡潔に説明することはできるでしょうか?「戦略」という単語には計画を立てることや方針を決めること、取捨選択することなど、多くの意味合いが含まれていて、統一された定義は存在しないように思います。

コスト総研では、戦略とは”目的を達成するための明確なアクションプラン“と定義します。ここで「目的」と「戦略」を混同しないように注意してください。

例えば、「売り上げシェア15%を達成する」ということは「戦略」ではなく「目的」です。上に定義で示したように「戦略」はアクションプランのことですので、「売り上げシェア15%を達成するために、〇〇というアクションをとる」の〇〇の部分が「戦略」となります。

コスト総研ではコスト削減活動を「分析フェーズ」「戦略策定フェーズ」「実行フェーズ」の3つのフェーズに分けて説明していきます。

 

分析フェーズ

 分析フェーズでは、コスト削減活動の基礎となる情報を収集・整理し、社内外の状況を把握していきます。分析フェーズ以降の戦略策定フェーズ・実行フェーズでは、ここで整理した情報をもとに業務を実施していくことになります。
 分析フェーズは3つのステップで構成されます。まず「① 現状分析(内部)」「② 現状分析(外部)」によって現状を把握し、そこで得た情報から「③ 制約条件・課題抽出」をします。

 

① 現状分析(内部)

 現状分析(内部)では、自社の支出状況を明らかにします。具体的には、総勘定元帳等の購買実績データを基に「何を」「誰から」「どうやって」買っているのかを整理していきます。第3回:現状分析で詳しく解説していきます。

 

② 現状分析(外部)

 現状分析(外部)では、社外のサプライヤーを含めた調達状況を明らかにします。ここでも① 現状分析(内部)と同様に、「何を」「誰から」「どうやって」に注目して整理していきます。コスト総研では、「何を」の分析を第4回:コスト構造・仕様分析で、「誰から」の分析を第5回:サプライヤー市場構造分析で、「どうやって」の分析を第6回:取引条件分析で行います。それぞれの概要は以下の通りです。
 コスト構造・仕様分析:調達品目毎に費目別(原材料費、加工費等)コスト構造を分析し、機能・技術仕様を明らかにします

 サプライヤー市場構造分析:原材料や委託先から最終納品物までに関わるプレイヤー、商流、物流を明らかにします
 取引条件分析:契約書を含む発注業務分析を行い、発注から納入までの実務を明らかにします

 

③ 制約条件・課題抽出

 制約条件・課題抽出では、変更できることを定義した上で、変更するための課題と解決策を明らかにしていきます。具体的には、制約条件整理で人的、資金的、政治的、技術的、地理的な視点で「変更できない」条件を整理し、これによって「変更できる」とされた事に関して、課題を明らかにします。第7回:制約条件・課題抽出で詳しく解説していきます。

 

戦略策定フェーズ

 戦略策定フェーズでは、分析フェーズでの結果をもとに具体的なコスト削減施策を立案していきます。
 戦略策定フェーズは3つのステップで構成されます。まず施策の「④ 方針策定を」し、それぞれの方針を「⑤ リスク分析・効果試算」によって評価・選定し、具体的な「アクションプラン」に落とし込みます。

 

④ 方針策定

 方針策定では、具体的な「③ 制約条件・課題抽出」で整理された課題ごとに施策を立案していきます。この際も分析フェーズ同様、「何を」「誰から」「どうやって」に注目します。「何を」の方針策定は第8回:VE方針策定で、「誰から」の方針策定は第9回:ソーシング方針策定で、「どうやって」の方針策定は第10回:取引条件変更方針策定で行います。

 

⑤ リスク分析・効果試算

 リスク分析・効果試算では、「④ 方針策定」で策定した施策を評価・策定していきます。施策ごとに実現性の分析とコスト削減効果試算を行います。これによって、それぞれの施策が同じ基準で定量的に評価できるため、良し悪しの比較ができるようになります。第11回:リスク分析・効果試算で解説して行きます。

 

⑥ アクションプラン作成

 アクションプラン作成では、「⑤ リスク分析・効果試算」で評価した施策に優先順位を付け、「誰が」「いつまでに」「何を」すべきかまで明らかにしていきます。第12回:アクションプラン作成で解説していきます。

 

実行フェーズ

 実行フェーズでは、戦略策定フェーズで作成した施策を実際に実行していきます。ここでも「何を」「誰から」「どうやって」に注目します。「何を」の実行は第13回:仕様最適化で、「誰から」の実行は第14回:サプライヤーソーシングで、「どうやって」の実行は第15回:取引条件最適化で行います。それぞれの概要は以下の通りです。
 仕様最適化:機能仕様定義、技術仕様最適化、見積取得、サンプル評価などを行います。
 サプライヤーソーシング:サプライヤーソーシング範囲定義、リストアップ、RFI/RFQ/RFP、価格交渉、面談、サンプル評価などを行います。
 取引条件最適化:集約化(買い手軸、時間軸)、リードタイム最適化、発注時期最適化などを行います。

 

ここで説明してきた各ステップについては、第3回以降の記事で解説していきます。

コスト削減手法の解説記事は以下のリンクからご覧になれます。

 第1回:【コスト削減戦略の着眼点】戦略プロセス
 第2回:【コスト削減戦略の着眼点】コストドライバー
 第3回:【分析フェーズ】支出分析
 第4回:【分析フェーズ】コスト構造・仕様分析
 第5回:【分析フェーズ】サプライヤー市場構造分析
 第6回:【分析フェーズ】取引条件分析
 第7回:【分析フェーズ】制約条件・課題抽出
 第8回:【戦略策定フェーズ】VE方針策定
 第9回:【戦略策定フェーズ】ソーシング方針策定
 第10回:【戦略策定フェーズ】取引条件変更方針策定
 第11回:【戦略策定フェーズ】リスク分析・効果試算
 第12回:【戦略策定フェーズ】アクションプラン化
 第13回:【実行フェーズ】仕様最適化
 第14回:【実行フェーズ】サプライヤーソーシング
 第15回:【実行フェーズ】取引条件最適化

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