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2018.3.5更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第5回:コスト削減を成功させるコツ

次回から各領域の具体的なコスト削減手法を説明していきますが、その前に、病院でのコスト削減成功率を上げる全領域共通のコツを紹介しましょう。

 

①コスト削減の目的をトップダウンで直接組織に伝えよう

これから病院全体でコスト削減に取り組む際は、まずその目的を理事長や院長などその組織のトップから直接、職員にしっかり伝えましょう。この「目的」、「トップから」、「直接」という点が重要です。

病院職員は一般的に患者や医療に対する想いが先行する人達の集団ですので、コスト削減という言葉はしばしばネガティブに受け取られることがあります。「うちの病院はお金儲けに走っている」、「必要な医療ができなくなる」などと偏った考えを持つ人も実際に存在します。

組織全体のベクトルを合わせるには、「やりたい医療を提供し続けるには利益が必要であること、その利益を安定して確保するためにはコスト削減を含めた経営改善が必要であること」を、トップからのメッセージとして発信しましょう。可能であれば、全職員を集めてキックオフセミナーを開催するとより良いでしょう。

こちらの記事も参照ください。

第1回: コスト削減の目的

 

 

 

②プロジェクトメンバーには副院長(医師)と副看護部長アサインしよう

プロジェクトチームを作りコスト削減に取り組む場合も多いですが、プロジェクトメンバーには事務職だけでなく副院長(医師)と副看護部長をアサインするようにしましょう。

医師の副院長をアサインする理由は2つあります。1点目は「医師」と「副院長」という2つの立場が院内でコスト削減を進めるうえで効果的に働くため、2点目は次期院長の育成に繋がるためです。

1点目に関して、例えば冠動脈ステントの価格交渉をメーカーと行う際、事前に循環器内科部長との調整が必要になりますが、専門知識の差や立場上、事務スタッフにはこれがかなり高いハードルになります。医師との交渉は医師が行うのが最も効率的です。院長が率先して出ていっても良いのですが、院長の発言はそのまま病院の決定となるため対等な交渉にはならず、現場の不満を高めることにもなりますので、まずは副院長に任せましょう。院長は院内の調整が揉めた時や、外部との交渉がスムーズにいかない時のジョーカーとしてスタンバイしてもらいましょう。

2点目に関しては、コスト削減のプロジェクトを次期院長に必要なプロセスと位置付けることで、モチベーションアップや人材育成にもつなげることができます。

看護部は院内の最大与党ですので、プロジェクトメンバーに看護師がいると現場との連携がスムーズになります。看護部長は現場から遠く、師長は一つの部門に専門化しているため、ある程度院内に権限があり、全体を見れる副看護部長がベストでしょう。

 

 

③根回し上手になろう

これはコスト削減に限らず、全ての業務を進めていくうえで重要なプロセスですし、その重要性を体感したことがある方も多いでしょう。自己中心的な提案になることなく、コスト削減を行うことによって相手側にデメリットがないか予想・整理したうえで、相手に納得してもらう形で合意を得るところまでを事前に徹底しておきましょう。

 

 

④市場価格を把握しよう

いわゆる「ぼったくり」に合わないためにも、市場価格は必ず把握するようにしましょう。方法としては合い見積もりがまず思い浮かびますが、見積もりの数を増やすと業務負荷も増えるため、外部コンサルタントを活用するのも有効手段です。

 

 

⑤変えるのはコストだけでなく、スタッフのマインドセット

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。」という有名な言葉があります。医業費用の50%は給与費、そして25%を占める材料費も人によって使われることを考えれば、病院のコストほとんど人によって発生すると考えることができます。コストマネジメントを組織に習慣として根付かせないと、一度はコスト削減に成功しても、いずれ元に戻ってしまうことになります。コスト削減活動を通して、スタッフの心、つまり意識を変えることを忘れないようにしましょう。そのために必要なことは、現場を巻き込むことと、成功したらその体験と成果を共有することです。それを繰り返していけば、最初は関心が低かったスタッフも、コストマネジメントの重要性を理解し、プロジェクトが終了した後も自発的に行動を起こしてくれるようになるでしょう。

こちらの記事も参照ください。

第10回: マインドセット

 

 

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