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2018.6.11更新

第一章 医療業界のコスト削減事例

第19回:感染性廃棄物処理費の見直し方法

感染性廃棄物は、病院から出るゴミのうち、感染リスクのある病原体が付着しているか、そのおそれのあるものです。具体的には、ガーゼ、包帯、ギブス、 紙おむつ、注射針、注射筒、輸液点滴セット、試験管等の検査器具、血液、臓器・組織等です。多くは手術室や病棟、検査室等で発生し、専門業者に処理を委託します。弊社調査では、総合病院で100床あたり年間約550万円の感染性廃棄物処理費がかかっています

 

総処理費=単価×廃棄量

感染性廃棄物処理費の削減においては、「単価」と「廃棄量」の視点で考えることがポイントです。

 

単価を見直す

単価には重量ベース(廃棄物1kgあたり処理費)と容量ベース(容器1Lあたり処理費)の2通りあり、契約によって異なります。後者で委託費が算出される場合は、感染性廃棄物を入れる容器の種類と容量の適正化が有効です。

感染性廃棄物を入れる容器には主にペール缶(一斗缶)と段ボールの2種類があり、それぞれ20L,45L,50L等のサイズがあります。1Lあたり単価は、一般的にペール缶より段ボールの方が安価であり、容量も大きい方が安価です。よって、注射針や包帯など、鋭利なものや液体付着物を入れるペール缶に容量のかさむ衣類を入れていたり、多くの感染性廃棄物が発生する場所に小さい容器を置いていたりするとコスト増加の要因になります。全ての容器設置場所で発生する感染性廃棄物の種類と量を調査し、最適な容器の種類と容量を選択しましょう。

 

廃棄量を見直す

廃棄量を減らすことは、最もシンプルかつ効果的なコスト削減方法です。要は、「ゴミを減らすためにはどうすればいいか?」を考えればよいのです。

例えば、感染性廃棄物ではないにも関わらず、感染性廃棄物用の容器に捨てられるケースは少なくありません。使用済オムツや術衣など、一見感染性廃棄物と思われるものでも感染のリスク(例:感染患者のものや血液付着)がなければ、一般廃棄物として処理が可能です

また、処理に出す際の容器の使用率もポイントです。特に容量ベースでの契約の場合、容器に余裕がある状態で処理に出すと無駄が生じます。最低でも80%以上は詰めた状態で処理に出しましょう

廃棄量の見直しは、感染性廃棄物が発生する頻度の高い病棟や手術室スタッフのコスト意識が重要です。スタッフへ定期的に教育を行う、分別方法を分かりやすく掲示する、感染性廃棄物とそれ以外のごみ箱を離れた場所に設置する等の対策を検討してみてください。

 

院内の取り組みでコスト削減はできる

感染性廃棄物の処理業者は中小企業がほとんどです。各企業の商圏は狭く、多くの場合、病院は地場の業者と委託契約を締結しています。そのため、委託業者の変更は難易度が高いことが多いですが、上記視点で取り組めば、委託業者を変更しなくても院内の取り組みで十分コスト削減が可能です。

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