コンサルティング営業はトップ営業、というのを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。そうです、企業の上の者同士で取引が決まるということです。それでは上の者に有って下の者に無いものは何でしょうか。
それは「決裁権」になります。
Buyerへの提案機会を得る
営業の役割は“利益を実現すること”です。如何に多くの利益を単位期間あたりに達成するか、が求められます。トップ営業が必要なコンサルティング営業では、「決裁権」を持った方に如何に早く接し、より多くのコミュニケーションが取れるかが鍵となってきます。
ここまで読んで、Gate keeperとBuyerの違いがお分かりになった方もいるかと思います。
Gate Keeperとは
- 一般的には「担当者」と呼ばれる
- 決裁権は無いが、社内稟議書作成や外部との窓口といった実務作業をこなす
- 部長以下の役職
Buyerとは
- 一般的には「決裁者」と呼ばれる
- 決裁権があり、部下の作成した稟議書を基に経営会議等で社内承認を得る
- 役員クラスとなり、事業部長以上の役職
毎月の社内営業会議で「大手〇〇会社の方と知り合い、営業の機会を頂けました!」と、意気揚々に営業報告してくる若手メンバーがいた場合、その相手がGate KeeperかBuyerかを把握しているか聞いてください。デキル営業であれば、把握しているでしょう。もちろんLeadという最初の接点を作ることも営業として役割の一部は果たしています。ただ、営業という職種に本当に求められるのは“売れる可能性”ではなく、“利益を実現すること”というのは常に意識しておいてください。(自分は「入金されるまでが営業」と常々言われていました。)
営業時に取得するBANT情報はMUST
それでは営業時には上記のBuyer(決裁者)情報以外に、どのような情報を入手すべきなのでしょうか。世の中にはマーケティング学科や工学部といった研究開発を学ぶ学部や学科がありますが、「営業学部」や「営業学科」というのは2018年時点でもgoogle検索でhitしません。そして、俗に経営学の最高峰と言われるMBAコースでも「営業」というプログラムはほとんど存在しません。それほどまでに一般化(グローバルでの)が難しいということなのでしょう。とはいえ、雲をつかむような話はしたくないので、最低限のフレームワークをお伝えします。必要な情報の頭文字を取ってBANT(バント)情報と言います。
Budget(予算)
調査費や研究開発費と言った、コンサルティング報酬を払う原資となる予算です。
Authority(決裁者。Buyerと同義)
決裁者と決裁機関のことです。決裁機関とは執行役員会議等の会議体を指します。
Needs(課題。根本の課題)
IPOのために特定のコストを短期間で削減したいのか、そもそもコスト体質にならないように組織のコスト競争力を上げたいのか、といった本当の課題を指します。
Timeframe(開始時期や完了時期)
上記の予算が使える時期であり、プロジェクトの開始が可能な時期やいつまでにそのプロジェクトが完了しておかなくてはいけないかを明らかにします。
野球のBUNT(バント)とはスペルが違いますが、「次に進める(営業として希望をつなぐ)」という意味では同じことを言っているので、そのように覚えてくれれば幸いです。