2019.04.17

馬鹿にならない物流現場のコミュニケーションコスト

まだまだアナログでの運用が多く蔓延る物流業界。受発注業務、在庫管理、輸配送の指示、数え上げればキリがない。
ネット通販の急激な拡大でデジタル化が進み、Iot、ロボティクス、AI、様々な技術が物流業界にも導入され始めましたが、そのほとんどが、日本が世界に誇る超大手企業で実践してきたものです。

中小規模の物流現場では往々にして現場リーダーはもちろん、課長や部長、さらには社長までもが作業をする場面が少なくありません。社長自らがユニフォームに着替え、現場で作業スタッフに交じってピッキング作業に勤しむ。社長にとってたまに作業に入ることは「非日常」と捉えられ、むしろ楽しいと感じながらこなしているのかもしれません。
社長をはじめとしたリーダーが作業をすること自体は悪いことではありません。繁忙期対策で人員不足を補う。現場作業への理解を深める。作業を担当するメンバーとのコミュニケーションを図る。いろいろな面で良い効果を生み出すことは間違いありません。
しかし、リーダーがあまりにも多くの時間を作業に費やしてしまうと、リーダーの役割が作業中心となり改善活動が進まないという事態に陥ります。リーダーが気づかないところで現場には色々な事象が起きるものです。知らないうちに作業工程上で謎のローカルルールが出来上がっていた。〇〇さんと△△さんがケンカをして現場の雰囲気が悪くなった。いつの間にか現場の蛍光灯が壊れていた。

全体を俯瞰で捉え、バランスよく調整をしていくのがリーダーの本来の役割ですが、「プレイングマネジャー」というある種の呪縛から放たれず、なかなか本来の役割を全う出来ないものです。
リーダーが本来の役割を果たすためには、「時間を操る」ことが有効です。その有効な手段の一つが「コミュニケーションの効率化」です。

コミュニケーションといっても相手と会話をするだけがコミュニケーションというわけではありません。直接的なものとして、挨拶を交わしたり、相手と目を合わせたり、ポンと肩を叩いたり、握手をしたり、作業で重いものを「せーのっ」と一緒に持ち上げて運んだり。通常の一日でも多種多様なコミュニケーションが機能しています。

ここでは「コミュニケーションの効率化」を、様々なツールを用いて改善するのではなく、直接的なコミュニケーションのスキル向上で効率化を図っていくという切り口でお話していきます。

「コミュニケーション」と「コスト」?

全体会議で東京本社から大阪支社へ出張で参加するのを、Skype会議に切り替えて交通費が削減できた。もちろん有効なコスト削減の取組みです。しかし、普段の小さなコミュニケーションの改善で、大きくコスト削減に貢献できる可能性を秘めているのも事実です。

例えば、リーダーの方たちが、一般職の方たちの人事考課を担当することになった場合。
人事考課の面談でのインタビューと、評価シートの作成に頭を悩ませながら作成します。完成したものを人事部門にメールで送ってひとまず完了。この簡単な流れでも、インタビューで一人30~60分、評価シートの作成に一人60分、一人当たりでおよそ1~2時間の工数が必要です。

普段のコミュニケーションから改善して、この工数を半分にすることも私は可能だと思っています。
挨拶を交わした時に相手の体調や気持ちを汲み取る。普段から挨拶が出来ていると、普段との違いでなんとなく察知することが出来ます。その場で察知できれば「何かあったの?」と、ほんの数分の会話で人事考課の面談レベルの効果が得られます。

普段のコミュニケーションの改善により一人当たりの人事考課に費やす時間が25%短縮された。

Before

2.00時間/人 × @2,500円(リーダー時間単価(仮)) =5,000円/人

After

1.50時間/人 × @2,500円(リーダー時間単価(仮)) =3,750円/人

1人当たり1,250円の削減に相当!対象が50人いたら25時間の短縮で62,500円に相当!

皆さんの周りには、とても人望の厚い尊敬できる先輩や同僚はいますでしょうか?もし当てはまりそうな人がいたらその人の行動や言動をイメージしてみてください。そういう方たちは例外なく、常日頃から周りに気を配り、コミュニケーションをとても大事にしているものです。
コミュニケーションの充実が日常のパフォーマンスを上げてくれる、自分自身のモチベーションや私生活が豊かになることをキチンと理解しているからです。そして何より、時間は有限であることを認識し、その瞬間瞬間をとても大切にしています。

コミュニケーションでコスト削減を実現する。
決して「Mission:inpossible」ではなく、「Mission:possible」なのです。

まず始めるなら、ベタのところですがやはり挨拶を交わすことです。それも、「自分から」挨拶をすることです。ビジネス経験を重ねていけばいくほど、周りが自分に挨拶をしてきてくれるのが当たり前と感じてしまうものです。私自身もたまにそう感じることがあり、自分からの挨拶を心がけています。

私は職業柄、多くの企業の物流センターを訪問する機会がありますが、私を見つけるなり「いらっしゃいませ!」「こんにちは!」「お疲れ様です!」と元気に挨拶をしてくれると、こちらも自然と「こんにちは!」と元気に返すことが出来ます。この挨拶一つで訪問した企業と信頼関係が築けた感じることもあります。それぐらい挨拶というのはインパクトがあり、パワーがあるものです。

照れくさいかもしれませんが、コスト削減の活動の一つとして挨拶に取り組んでみませんか?

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