コンサル会社等の外部リソースを使うことに慣れていない場合や、そもそもコストを掛けられない場合は、自社内のリソースを用いてコスト削減活動を進めていくことになります。早速、自社内のみでコスト削減活動を行う場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
短期的に流出するコストが無い
通常の人件費のみがコストとなるため、流出するコストはありません。
コスト削減のやり方(戦術)を考えて実行・完了するまでのノウハウが社内に貯まりやすい
自社の人員のみで頭に汗をかいてコスト削減戦略と戦術を考え、身体を動かすことによりコスト削減を達成することができれば、そのノウハウ・経験が社内に貯まります。
通常業務ではコミュニケーションがあまり無い社内の人的ネットワークが広がる
購買部や調達部、総務部や経理部が主導でコスト削減を実施することが大半かと思いますが、このような部署は通常、受け身で社内の他部署からの依頼に応えることが多くなっています。ただ、コスト削減活動は能動的に行う必要があるため、必然的に他部署への働きかけが必要となり、通常では受け身のコミュニケーションしかなかった部署との交流が深まり、社内人的ネットワークの広がりに繋がります。
デメリット
長期的な視点で見ると、大きな利益を生む機会損失となる
コスト削減活動に対する社内の目を気にするあまり、どうしても短期的に結果の出ることに注力しがちになります。その結果、長期的に取組むことで得られる大きな果実を逃すことになります。
コスト削減手法が既に知っていることに限られる
日本企業の悪い所ではあるのですが、過去の実績が最重要視されるため、今まで行って効果のあったやり方に固執しがちです。その結果、技術的にも情報の流れ的にも、日々刻々と変わる世の中の最新かつ最適な技術や情報が活用できないことに繋がります。
社内組織間の力関係に左右され、蛸壺の組織関係に横串を入れにくい
依然として購買部や調達部、総務部や経理部は社内では声が通りにくい部署であり、開発部や営業部との力関係で劣る会社が多いかと思います。そのような状況では、本当に良い活動も全社的な取組みにならず、効果も限定的になってしまいます。