今回は戦略策定フェーズの『取引条件変更方針策定』について見ていきます。
目次
取引条件変更方針策定
網羅的にコスト削減施策を立案するために、2つのステップで取引条件を変更し、コスト削減に繋がるアイデアを導き出していきます。
どの取引条件を変更できるか
通常の取引条件項目を一つ一つ見ていき、自社内の関係者間で変更できそうな項目を可能な限り数多く挙げていきます。この時、発注者か購入品の決定権者の意見をベースにどの項目であれば変更できるかを明らかにしていきます。取引条件に関しては、支払い条件といった全社的に決定する項目以外は、現場の方のほうが上層部の方よりも実際の業務を知っているため、現実的な意見が言えます。よって、発注者の雇用形態は関係なく、実務を知っている人の意見を優先的に拾い上げていくことが、後のリスク分析を行った際に実現性がより高い施策が得られることに直結します。
どの程度の変更ができるか
変更できそうな取引条件の項目を発注者や購入品の決定権者を中心に定義した後に、定義された項目を最大でどの程度までコストを削減できる方向に変更できるかを感覚知でヒアリングしていきます。この時、過去の取引データといったデータを一つ一つ見ていくことは全体の効率を下げるため、この時はヒアリングをメインにどの程度(3%なのか、10%なのか程度)変更可能かをそれぞれの項目について決めていきます。
この時重要なのは、”なぜ、当該項目が○○くらい変更できるのか”というコスト削減施策実行時の前提条件となる理由を明確にしておくことです。前提条件が変われば、コスト削減施策のリスク、効果が変わるのは自明です。その後に続く、リスク分析・効果試算の際にはこの前提条件に留意しながら、取引条件を最適化できる施策を考えていきましょう。
このように2つのステップを経て、どの取引条件項目を、どの程度変更できるのかが分かったところで、次の実現性と想定コスト削減の試算を行います。