調達の分野において、サプライチェーンという言葉が頻繁に登場します。
サプライチェーンとは
サプライチェーンとは、ステークホルダーの調達・加工・納入の連鎖を指します。ここでいう加工とは、製品の製造やデータの分析など、それぞれのステークホルダーが付加価値を与えるために行う作業のことをさします。
サプライチェーンは、生産者が原材料を生産するところから始まり、次のステークホルダーに納入、そして、そのステークホルダーが次のステークホルダーに納入という作業を繰り返し、最終的に消費者によって処分されることで終わります。
調達において特に重要なのは、サプライチェーンのうち自社が調達するところまでとなります。
このサプライチェーンを最適化し、コスト削減やリスク管理を行うことをサプライチェーンマネジメント(SCM)と呼びます。
サプライチェーンマネジメントの第1歩はサプライチェーンの可視化です。
サプライチェーンの可視化
サプライチェーンを可視化する際は、加工の際に使用する素材に注目します。
今回は100均などでも販売されているタッパーを例に考えてみます。わかりやすさのため、厳密さに欠けるところもありますがご了承ください。
タッパーはプラスチック製としましょう。この場合、タッパーの加工にはプラスチック樹脂を使用するので、タッパーの製造工場は化学工場からプラスチック樹脂を調達します。
また、化学工場ではプラスチック樹脂の原料のナフサが必要です。そのため、化学工場は石油精製工場からナフサを調達します。
さらに、石油精製工場は石油を精製することでナフサ製造しています。そのため、石油精製工場は原材料の石油を油田から調達します。
このように原材料まで遡ると、サプライチェーンの調達において重要な部分が可視化できます。
サプライチェーンマネジメントでは、可視化したサプライチェーンを分析し、ボトルネックとなっている部分に処置を施すことでコスト削減やリスク管理を行います。