2020.02.26

2020年度診療報酬改定を読み解く④~成果の出るリハビリテーションを~

2020年度診療報酬改定おいて、リハビリテーション領域では主に①回復期リハビリテーション病棟入院料と、②疾患別リハビリテーションの見直しが行われます。

回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し

回復期リハビリテーション(以下、回リハ)病棟は、回リハ入院料の届出病床数や患者一人に提供される1日あたりのリハ単位数が直近10年で2倍以上増加している背景もあり、全体的に厳格化です。

前回改定で、アウトカム要件であるFIM実績指数が入院料の施設基準に導入されました。FIM実績指数は「運動項目FIM利得÷在棟日数」で算出されます。分子のFIM利得をすぐに大きくすることは難しいので、この基準が引き上げられるということは、分母である在棟日数の短縮圧力が強まることを意味します(#1、#2)。また、故意に入棟時FIMを低くしたり退棟時FIMを高くしたりしてFIM利得を水増しすることを防ぐために、患者にFIMスコアを説明して理解を得ることが求められます(#3)。療法士を大量に雇い、漫然と1日9単位のリハを実施して利益を上げている病院は、高い入院料の維持が厳しくなるでしょう。

回リハ入院料1を届出る病棟は、発症や手術からの期間が間もない重症患者を受け入れながら、短い入院日数で在宅復帰まで支援することが求められます。ベッドの回転率が上がるので、患者の供給源である急性期病院(病棟)と、退院後フォローを行う介護施サービス事業者との連携がますます重要になります。

また、今回、管理栄養士の病棟配置が入院料1で要件化されました。次回改定ではその他の入院料でも要件化されることが確実であるため、まだ管理栄養士が病棟配置していない病院は今から準備しておくとよいでしょう。

疾患別リハビリテーションの見直し

疾患別リハビリテーション領域の改定では、まず「医師の処方→リハ実施計画書の作成→リハ開始」の流れが整理されました(#8~#10)。これまではこのあたりが曖昧で、リハ開始前にきちんとリハ実施計画が作られているかどうかは適時調査などでチェックされていましたが、この変更により、医師の具体的指示がなければリハ実施計画書作成前のリハは算定不可となります。

もう一つは、必要な患者に適切なリハが円滑に提供できるようになるための変更(#11~#19)です。特に患者数が増えるがんリハと、在宅復帰やQOLに直結する摂食嚥下ケアは拡大が期待されます。

回復期リハ病棟は、急性期寄りで機能回復に特化するのか(入院料1、3)、あるいは慢性期寄りで機能維持や在宅療養に力を入れていくのか、同じ「回復期」のなかでも機能分化が進みます。疾患別リハは、必要な患者に適切なリハが提供されるように、細分化されていくと予想します。今後はよりアウトカム(成果)の出るリハビリテーションを実施していくことが求められるでしょう。

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