2020.04.27

個人でできるコスト削減事例 ~スマートフォン利用料金~

コスト削減を実行するステップとして、分析⇒施策策定⇒施策の実行と進めていきます。
一見難しそうにきこえますが、身近なコスト削減例をみていくと、想像しやすくなるのではないでしょうか。そこで今回は、「スマートフォン利用料金のコスト削減」を例にお話していきたいと思います。

スマートフォン利用料金の見直しの動機としては、

  • 以前契約した学生割引等が終わるタイミングになった
  • 現在利用しているスマートフォンのキャリア会社との契約更新月期間タイミングになった
  • 現在の機種を使い続けたいが費用は下げたいと思った
  • 見直してなかったので削減効果が得られやすいと感じた

ということが、挙げられるかと思います。それではまず、分析をどのようにしていけば良いかを見ていきましょう。

分析
コスト削減施策を立案するにあたり、「コストドライバ―」に注目することが重要です。
(コストドライバ―については、過去記事を参照ください。)
コストドライバ―は、コスト削減に必要な3つの視点「何を」「誰から」「どうやって」に着目すると分析しやすくなります。

スマートフォン利用料金におけるコストドライバ―

「何を」“どんな仕様でどんなコスト構造のモノ・サービスを”買っているか?
仕様とは、必要とする機能や役割を満たすための構造やデザインを指します。

スマートフォン利用料金は以下の仕様から決定されます。

  • 通話機能
  • インターネット通信機能
  • テザリング機能
  • 通信速度

その仕様を基に利用料金のコスト構造は以下の式で表されます。
利用料金 = 機種代金 + 通話料 + 通信料 +定額料+月額料 + 事務手数料

「誰から」”どんなサプライヤーから”買っているか?
2種類にサプライヤー群、つまり「キャリア会社」か「MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者の略。無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことであり、格安SIM会社も含まれる)」に分けられます。

「どうやって」”どんな取引条件で”買っているか?
下記の点が利用料金に影響すると考えられます。

  • 特典あり(長期継続特典のポイント付与、家族割引、クーポン等)
  • 機種の保証パック加入
  • 割賦契約なのか一括購入なのか(機種代金は人気の機種だと高価なモノもあるため、割賦契約を選択できる場合もあります)
  • スマートフォン利用料金の支払方法(口座振替か、カード引き落としか)
  • 申込み方法(店頭かインターネット上か)

次は上記3つの視点を踏まえて具体的に行った施策策定・実行についてお話していきます。

施策の策定
①の分析結果を踏まえ、今回はコスト削減の期待値が最も高いと示唆された「誰から買うか?」を変更するため、「キャリア会社」と「MVNO」をQCDの観点で比較を行います。

(表)

 通信の質についてはキャリア会社・MVNO間に音質などの差は特に生じないとのことです。しかし、MVNOはキャリア会社から回線を借りてサービスを提供しているため、その賃借料の差により各MVNO間でも通信速度等サービスの質に差が出ることがあるようです。
 サポートの充実さについては、店舗での相談かオンラインのにどちらがよいかは言い難いですが、キャリア会社は店舗を全国に展開しているため、直接店頭にて細かいサービスを受けたい人には適していると思われます。
 料金体系についてはより詳細に比較し、下図のとおり月々の利用料金平均を比較するとMVNOよりもキャリア会社の料金が約2~3倍になり、大きな差があることがわかります。

(図)

※ソニー生命出典

 プラン選択の柔軟さにおいては、キャリア会社ではインターネット使用量別にプランが2つだけになってきているためプランの選択肢が少ないですが、MVNOではデータ容量ごとに細かいプランがあるため、自分にとって無駄のない最適な料金プランを選ぶことが可能です。

 最後に特典については、競争が激しいため両者共に様々なキャンペーンを行っています。自分に合ったプランを選び、申込む際にはお得なキャンペーンを見落とさないようにすることが重要です。

上記の比較を踏まえ、

  • 基本的な通話・メール・インターネットの利用ができる
  • 通信速度が遅くはない
  • データ容量ごとに細かくプランが選べる
  • テザリング機能の利用が可能
  • 現在使用している機種をそのまま使用することが可能
  • 独自サービスが自分に合っている
  • キャンペーン内容がお得

かつ、コストの安い会社を選定していきます。

施策の実行
 もともと契約していたキャリア会社の締め日や、SIMカードが届くまでの日数確認等タイミングに注意しましょう。解約にも事務手数料がかかるので、できるだけスイッチングコストが最小限になるように行います。詳細な料金プランやキャンペーン等については、各社の公式サイトを確認する・サービス内容の比較サイトを利用する・周囲に使い心地をヒアリングするなどして、自分に最適な無駄のないサービスを選びましょう。

 

 私の経験では、月額10,000円前後だった利用料金が約3,000円になり、70%減という大幅なコスト削減ができたこともあります。

 

 いかがでしたでしょうか。身近なスマートフォンの利用料金のコスト削減を例にしてお話させていただきましたが、コスト削減の大まかな流れがイメージできるようになってもらえたなら幸いです。

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