契約書を締結し無事にプロジェクトが始まると、定例会や都度のミーティングでクライアントと面談する機会が増えるかと思います。その際、クライアント側のメンバーが各々の立場から意見を言ってきます。もちろん会社として一貫した要求であれば、それに単純に応えるようにコンサルタントも動けば良いのですが、クライアントのメンバーによって要求が異なることがよくあります。そんなときは誰の言葉を優先して動けば良いのでしょうか?
この「誰」という人物こそがクライアントの中にいる本当のクライアント(プロジェクトの成否判断を決定する人)、“The Client(ザ・クライアント)”なのです。
どんなプロジェクトにしろ、全員が「大成功」と思えることは皆無に等しいでしょう。なぜなら今までやったことが無いことをするのがプロジェクトですから、どこかに無理が来るものです(往々にしてコンサルタント側にその無理がきますが。。。)そんなとき、ザ・クライアントがプロジェクトは成功だと言ってくれれば、リピートでプロジェクトがもらえたりして良好な関係が継続できます。
それではどんな人物がザ・クライアントなのでしょうか?以下に4つのパターンをお伝えしますので、今のクライアントを想像しながらザ・クライアントを探してください。
社長等代表取締役
こちらは言わずもがなクライアントの中での最高責任者。
お金(コンサルティング報酬)を捻出した部署の役員(プロジェクトオーナー)
最終的にクライアント社内で稟議を通すとき、大きな案件ですと担当役員がプロジェクトのオーナーになることが多々あります。その時はプロジェクト予算を付けた担当役員が責任者となり、成果もその方に渡すことになります。コスト削減のプロジェクトではCFOやCAOが担当役員になることが多いです。
経営企画室のTOP
プロジェクトはルーティーン外の業務となるため、経営企画室が立案、運営することがあります。その時は経営企画室のTOP(役員であることもある)が満足するように、プロジェクトを進めていく必要があります。
窓口となる担当者
レアなケースと思いますが、実はレアではなくそれなりに散見されるケースです。特に社内のコミュニケーションが希薄なクライアントだとよく見受けられます。社内コミュニケーションが希薄な場合、担当者以外はプロジェクトにあまり興味が無いことがあります。そのため、コンサルタントを評価する方ががその方以外におらず、全ての権限が集中することになります。この場合は、いかに常日頃の細かいコミュニケーションを円滑にし、担当者をサポートできるかが重要にになります。
(番外編)株主(ファンドであることが多い)
MBO(Management Buy Out:経営陣による買収)の時によく見られるのが、株主に入るファンドから派遣された経営陣が満足するか否かでプロジェクトの成否が決まる場合です。このときは従業員が満足していなくても、ザ・クライアントが満足さえすれば継続的な取引に繋がることが多々あります。(複雑な心境になりますが)