2020.04.28

一石二鳥!~省エネとコスト削減~

 現在の暮らしや社会は、エネルギーの消費によって成り立っています。そのエネルギーを無駄なく効率よく使うこと、つまり省エネルギー(略して省エネ)が必要とされています。なぜでしょうか。エネルギーを使用することで世界中の生活が便利で豊かなものになるのに比例して、電気やガス等の原料である石油や石炭、天然ガス等の有限の資源が少なくなってきているからです。そして何となくお気づきのように、省エネルギーは光熱費のコスト削減ともつながっています。今回は、電気の見える化を行い、それにより取り組むことができる省エネとコスト削減を紹介していきたいと思います。

 みなさまは、家庭でのエネルギー使用量を把握したことはありますか?

 お恥ずかしながら、私は使用量についてまで意識をしておらず金額のみを見ていました。どのくらいのエネルギー使用量で、どの程度の価格になるかも気にしたことがありませんでした。

 そこで自戒を込めて、家庭でのエネルギー使用量を見える化するためのツールを紹介したいと思います。

検針票(ご使用量のお知らせ)
電気やガスの検針票には、その期間の使用量が記載されています。それを記録し分析することで、家庭のエネルギー使用についての傾向の把握ができます。前年同月の使用量が記載されている場合は、比較することも可能です。検針票をもとに、電気料金の削減シュミレーションサイトを利用してみるのもおすすめです。一番取り組みやすいツールです。さらに、電力会社によっては、検針票を読み込んでガス・電気の使用量を管理できるアプリもあります。

HEMS(ヘムス)
HEMSとは、「Home Energy Management System」の略であり、家庭内で使用している電気機器の使用量や稼働状況をモニター画面などで「見える化」し、家庭のエネルギー使用量を管理するシステムのことです。家電を一元管理することも可能で、HEMS対応のスマートフォンアプリを使用すれば、外出先からエアコンの温度操作等をすることも可能です。また、政府は2030年までに全ての住まいにHEMSを設置することを目指しています。(平成24年「グリーン政策大綱」(内閣官房 国家戦略室)より)国や地方自治体から補助金が出る場合もあるので、導入の際は確認しましょう。

(HEMSイメージ図)

スマートメーター
スマートメーターは、電気やガスなどの計量器に、遠隔検針(インターバル検針)、遠隔開閉、計測データの収集発信機能を有する計測器のことです。従来の電気メーターは、電気を使うと透明容器の中に入っている円盤が回って、使用量を計算していくため、「アナログ式」であり、毎日の電気使用量を積み上げておいて、検針担当者が1カ月に1回データを読み取っていきます。スマートメーターは、一定の時間を決めておいて、その時点の電気使用量を電力会社のサーバーに送る仕組みであり、データをマイクロコンピュータで記録していく「デジタル式」といえます。

スマートメーターを導入することによって、ウェブサイトなどを通じた電力等の使用状況や料金などの見える化や、計測データに基づく省エネ診断サービスなどが可能になり、これによる省エネルギー効果が期待できます。電力会社等にとっては、検針員による電力メーターの読み取り作業が不要になるため、人件費のコスト削減や業務の負担軽減が期待できます。また、「電気メーター」は利用者のものではなく「地域電力会社」(地域の電力事業を独占してきた大手電力会社)の所有物ですので、交換に際して基本的にお金はかかりません。

 

使用量を見える化するツールの確認をしたところで、次は誰でも取り組みやすい省エネ対策と、それに伴うコスト削減についてみていきましょう。

 

取り組みやすい省エネ対策とコスト削減方法

不必要な電気はこまめに切る
こちらに関しては、日頃意識して取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。具体的には、不要な照明を消すことや待機時消費電力を消費しないために主電源を切ることが挙げられます。家庭で消費する電力のうち、年間5.1%が待機時消費電力(平成24年度「待機時消費電力調査報告書」より)とされています。また、電気代電力量1kWhあたり27円(税込)で計算すると、年間の待機時消費電力の電気料金は約6,160円に相当します。昨今はコンセントにプラグが差し込まれているだけで電力を消費してしまう製品が多いので、注意しましょう。

蛍光灯や白熱灯などをLED照明に交換
LED照明は、蛍光灯や白熱電球に比べ電気代が大幅に削減できる長寿命で環境にも優しい照明です。図より、電球形LEDランプの方がトータルでコストが抑えられることがわかります。

(出典:経済産業省資源エネルギー庁省エネポータルサイト

遮光シート等の利用によって冷房電力消費量を抑える
窓に遮光シートを貼り付けることによって、室温の上昇を抑え、冷房電力消費量を削減できます。遮光シート以外にも、外からの日差しをカットする遮光カーテンや、熱を遮断する遮熱カーテンが有効です。遮光率により遮光の等級がわけられていますが、大体2,000円~購入できるようなので、試しやすいと思います。

 

いかがでしたでしょうか。まずは取り組みやすい省エネ対策・コスト削減方法を紹介させていただきました。

実際に上記の取り組みを始めた際は、まずは検針票で効果を確認してみてください。削減額に注目するばかりではなく、トータルでみたコストや省エネにもつながるような取り組みができればいいですね。何事も積み重ねが大事なので、小さな取り組みでも一人ひとりが取り組むことで省エネ面でも大きな効果につながっていくと思っています。

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