2020.04.30

始めやすい!請求書発行の業務改善

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、在宅勤務に取り組む企業が増加しています。そんな中、「経理担当者は在宅勤務が難しい」といった声をよく聞きます。一体、その理由は何でしょうか。その要因として、いわゆる「原物文化」が挙げられるかと思います。原物文化の例としては、「請求書には押印」「領収書は原物を提出」といったものがあります。最近はペーパーレス化が進み、紙の請求書ではなくWEB請求書の普及も進んでいますが、それでも紙の請求書を取り扱っている企業も存在しています。今回は経理業務の中でも一例にはなりますが、業務改善という観点からみた請求書発行業務について、取り入れやすいものを見ていきましょう。

 

請求書発行業務にかかるコスト

請求書発行業務にかかるコストは、2つ挙げられます。

1つ目は金銭的なコスト、2つ目は時間的なコストです。

金銭的なコストでは、
・コピー用紙代
・トナー代
・郵送にかかる費用
・機器購入費用(リース契約の場合はリース料金、カウンター料金がかかります。)
(・メンテナンス費用…あまりないかとは思いますが、万が一機器が故障した場合は修理か買い替えの費用がかかることになります)
が挙げられます。

それでは、取り組みやすいコスト削減方法をお伝えしていきます。

コピー用紙、トナー購入先の見直しを行う。
 コピー用紙といっても、多くの種類があり企業によっては紙質へのこだわりがある場合も考えられます。ですが、似たような仕様でより安価なものがある可能性もあるので、ずっと同じ製品を購入してきている企業は、一度代替品の見直しをするといいでしょう。
トナーについては、機器によって種類が指定されていると思います。その中でも、さらに純正トナー、汎用トナー、リサイクルトナーという風に種類が分けられていて、価格も大きく異なる場合があるので、チェックしてみて下さい。(モノにもよりますが、リサイクルトナーの中には定価よりも90%以上安いものもあります!

郵送にかかる費用
 請求書の郵送にかかる費用についてみていきましょう。月に定型封筒500通(送付状や請求書等、同封する平均枚数を2枚とします)を送付する場合、

・封筒代(A4用紙3つ折り対応サイズ)…1,100円
・用紙代(コピー用紙1000枚)…700円
・郵送代(普通郵便)…42,000円
合計で43,800円の費用が発生します(各費用は市場価格を参考)。

 

紙の請求書からWEB請求書に変更した場合の費用を同じ条件でみていきましょう。

・WEB請求書サービス利用料…月額1,000円(無料のものもありますが、ここでは1,000円と仮定します。)
・郵送代行費用50通分(※原物を求められた場合の利用で、1通150円と仮定します。)…7,500円
合計で8,500円の費用が発生します(サービスプラン等により異なります)。

仮に10分の1が原物での送付になったとしても、約80%のコスト削減ができる予測になります。ただ、WEB請求書の利用が増えているため、提供サービスの種類も増えてきています。各サービスでプラン体系や料金設定、UX等も異なるので担当者が実際に利用してみて使いやすく、かつ企業の規模に合ったものを選びましょう。期限付きで無料お試しができるものもあるので、積極的に試すことをおすすめします。(参考:【2020年版】おすすめの請求書発行システム14選を徹底比較!

 

次に時間的なコストですが、
・請求書作成
・内容精査、押印
・印刷
・書類封入
・ポスト投函or郵便局での発送
に掛かる時間が挙げられます。

印刷→書類封入→発送だけをみても、個人差はあれど1件あたり3~5分ほど時間がかかると思います。(弊社担当者談)

これが500通分と考えると、トータルで25時間もかかることになります(1件あたり3分で計算の場合)。なんと、年間で300時間にものぼります!

ここでWEB請求書サービス等の郵送代行を利用すると、上記の300時間分の時間コストが削減でき、その時間を他の業務に使うことができます。また、WEB上でデータ保存している請求書は、検索も簡単になり保管・管理の点でも業務負担を減らすことができます。このように、時間コストを削減することは業務効率化にもつながります。

 

 今回の記事では、請求書発行業務において、スタートしやすいコスト削減方法を具体例を交えて紹介致しました。1つの作業でも、金銭的・時間的な視点からみると多くの要素で成り立っていることがわかります。コスト削減を一気に進めようとするのではなく、分析→施策立案→実行の流れを基本に進めていき、漏れのないコスト削減をしていきましょう。また、在宅勤務の普及が加速していく中で、多くの気づきが出てくると思います。請求書発行業務のほかにもWEB上で完結できるものがあると思うので、この記事をきっかけに少しでもコスト削減・業務効率化を意識した取り組みを進めてもらえれば幸いです。

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