2020.04.27

「高額商品」で出費を抑えられる!?

  今回は比較的長く使う消費財について考えてみましょう。そこで「衣」「食」「住」の中でも、「」について見てみたいと思います。

 タイトルを見て「何を言ってるんだ」と思われた方、朗報です。今回は「言われてみればそうだな」と思うようなことしか書いていないので、この記事を読み終わった頃には不可解な気持ちは消えているでしょう。

 日常生活における出費を考える際、「買う物の値段」を気にする人は多いと思います。もちろん、予算(収入)が限られている状況では、何でもかんでも好きなものを買うわけにはいきませんし、できるだけお得にお買い物をしたいですよね。ですが、出費をトータルで見たときに「出費額 = 1回の買い物で使う額 × 買う回数」と分解できることを意識した上で、長期的な目線で出費額を検討しているという人は案外少ないのではないでしょうか。

 つまり、その場でお得に見える買い物を心がけていても、買い物自体の頻度が高くなれば出費は嵩んでしまうということです。

冒頭でも書いた通り、衣料品で例を挙げるとわかりやすいかと思うのですが、例えば1枚2,000円のTシャツと1枚10,000円のブランド物のTシャツを考えてみてください。衣料品は多くの場合、安いものよりも高いブランド品の方が使っている素材が良かったり、裁縫が良かったりして長持ちする傾向にあります。2,000円のTシャツが安く手に入れたは良いものの3ヶ月しか持たず何度も似たようなものを買う羽目になり、10,000円のTシャツが繰り返し洗っても2年以上綺麗に使える、などということであれば結果的に10,000円のTシャツを買ったほうが長期的な出費は抑えられているのです。

 このように何かを買う際は値段だけでなく、「どれくらいの期間内に似たようなものを何回買わなくてはいけないか」にも注意しながら、トータルでの出費の調整を図れると良いですね。

 

 一方で、食料品のように繰り返し使用しないようなものに関してはこの考えは当てはまりません。せっかくなので、服以外にどんな商品に対してこの考え方が応用できるか考えてみましょう。

 

 家電ではどうでしょうか。家電も品質によって耐久性が大きく変わる商品だと思います。先ほどの考え方をそのまま使うと、例えば30,000円で2年ほど使える洗濯機と50,000円で高性能かつ4年使える洗濯機だと、後者の方がお得になりますね。ただし学生など、人によってはそもそも同じ家に2年ほどしか住まないという人もおり、その場合は引越しのタイミングで家電を丸ごと買い換えるということもしばしばです。そうなるとむしろ後者は4年使えるのに2年で捨ててしまうことになり勿体無いですし、出費としても大きくなってしまいます。

 

 つまり、本質的には「1回の買い物で使う額 × 買う回数」の「買う回数」に関しては、商品そのものの質だけでなく自分の身の回りの状況や、「本当に必要か?」「本当に欲しいのか?」といったことも考慮しながら検討する必要があります。そういった意味で、ただ出費を抑える以上に、自分にとって最も嬉しい出費の「最適化」を模索していきたいですね。

 

 この考え方は言ってしまえば当たり前のことかもしれませんが、意外と頭から抜け落ちている人も多いのではないでしょうか。それこそ、企業におけるコスト削減に通じるものがあるように感じられます。輸送費(どの企業に委託するか)と事故リスク、最新機器の導入と技術革新のタイミングなどなど、様々な要素が絡み合ってコストが確定します。現在のことだけでなく、長期的にかつ様々な可能性(リスク)を考慮してコスト最適化を検討してみると、意外なところに落とし穴を見つけられるかもしれません

 

 

 いかがでしたでしょうか?「安物買いの銭失い」という言葉にもあるように、コスト削減といってもなんでもかんでも安くすれば良いというわけではないということを再確認いただけたのではないでしょうか。日常生活においても企業活動においてもしっかりとTCO(Total Cost of Ownership)を意識して、無駄な「安物」が採用されてしまっていないか検討してみましょう!

 

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